第一章 バイパス
2/24
自転車で40分。
『賭けないマ-ジャン、どんな人もお気軽に。』
『ペットの繁殖 専門店』
『立正佼正会』
『大聖堂』
『ドンキホ-テ』
環七ぞいの 干された毛布は、東京の灰にまみれて、美しかった。
”私は今、環七の ぶんぶん走る車を横に
たんたんと
自転車を こいでいる。”
春は まだか。
2/25
1に1を足すと 2
2に1を足すと 3
1しか足していなくても
どんどん増えて ある時 巨大さを あらわし、びっくりして
バランスを失う。
と書いたメモが出てきた。
2/26
夕暮れ 並木道を歩く。
冬の間は、枯れ木のように立ち尽くしている桜木も
その幹の中では、
だくだくとした 花汁が 出番を待っている。
”血は 立ったまま 眠っている”とは だれが 言ったか。
3/3
環状線は さながら運河ではないのか。
流れるものの まわりには、人々の生活があり 文化がある。
東京の霞んだ空気のなかでも、梅は咲く。
と ともに 沈丁花。 沈丁花の香り。
蛙が 土の中から 出てきた。
蛙、そとの空気をすう。
人が 信じ られ ま せん。
誰もが 夜 夢にみるでしょう。
シャッタ-の降りた商店街を なにかを探してあるく。
自分が何を探していたのか、わからない。
けれど 何かを切実に探している。
猫が 死んでいる。
じきに、東の空が 明るくなる。
夢が覚めたのか まだ 寝ているのか。
私は だれとも 会話していない。
3/4
昨日の文は、わけがわからん。
ところで、
笑顔を大切にしている、などという人は絶対に信じられない。あと 居酒屋で 最初 みんながビ-ル!と行っている時に どうしようかなと口に出していい、挙げ句甘いへなちょこカクテルをたのむ優柔不断なひとは まじで友達にはなれません。
3/5
今日は ど-んと曇っている。
たまにあるのだが、うちの周りにかるく100羽ぐらいの鴉が、集まって、がぁがぁ騒ぐ。
何ゆえ。
最近 小学校のころの気になっていた友達のフルネ-ムが
頭の中で 電光する。そして、だれもいない屋上・・・。
3/9
わけのわからないものが、渦巻いて私の中に宿る。そして怒りを誰かにぶつけたくて、ぶつけた。
ひどすぎる。
自分に返ってくる弾を 打ちまくっている。
3/10
ひどい精神状態である。周りの近しい人間達が、今見えているのとは違う本性を持っていて、悪魔のような顔で、私にせまってくる幻覚。ばかばかしいとは、思いながら、とても疲れている。
3/12
近頃 落ち着いていたここ何ヶ月と違って、忙しくなっていた為、私は俗に言う いっぱいいっぱいな状態の様だ。それにしても、人を傷つける言葉ばかりが、口をついて出るのは、何なのだ。私は 今 人を信じたい。あぁ、わがままだ。もっと自然に 生きたい。大切なものは 知っている。
3/14
沈黙と、涙と、いらだちの4日間。
同居人ともうまく会話ができず、ついに飼っていた金魚が死んだ。死にそうな時は、水槽の底でもがいていたのに、死んだら、上に ぷかんと浮いていた。私の家の中の空気が
本当に淀んでいるのだと思うと同時に、死んだらあっさりだなとも思った。”こいつあんなに苦しんでたのに、今は、楽そうだな。”そう、心の中でつぶやくと、死んででかくなった目がこっちを見てるような気がして、
”いやいや わたしは がんばります”と、心の中でつぶやいた。そして、やはり木の根元に埋めて、さよならした。
3/15
夕方から、朦朧としながら、さまよう。一服しようとアジアンな喫茶なとこに入ったら、飲み屋風だったので、小1時間独りで、ビ-ルを飲む。そして 普段乗らないバスに乗ってそのあと電車に乗り換えて帰宅する。途中友達に メ-ルして、返ってきて喜んだりした。同居人とも会話が三言ぐらいできたので少しうれしかった。悪夢を見ないですむ固形物を摂取して寝た。
3/17
新しい循環をとスタ-ト させるために 小さいながらもきれいな色の熱帯魚を水槽に入れます。
3/27
桜が いきなり咲いて、まだ三月なのに、散り行こうとしている、今日この頃。
この季節は 花粉がつらいけど、いい季節だ。寒いのに 少しあったかくて桜がふわふわ咲いたりして、キモチは十代になる。レモンのような恋がしたいような気がしてきた。
それにしても 女は こわいと思うことが多い。。。あぁ。ガツンと生きていける人間になりたい。ガツンと酒が飲みたい。
3/30
自分が他人のように感じる。
4/17
久し振りに、きもちよく 酒を 飲んでいる。
先週はじめは、過労&急性アルコ-ル中毒で、
で倒れて
友達に救急車呼んでもらったり、点滴受けたり、朦朧としたり、
看護婦研究したり、点滴逆流したり、今までの反省したりしたけど、
もう泣かない。
でも、もう ボンベイサファイァという酒は 飲まないだろう。
っていうか、くれた友人のことを考えると、なにか 腐れ縁というか、怨念というか、
そんな ”伝わりたくないけど 伝わってしまう”ものを感じる。
彼は私が17歳のときに
アングラチックな 新劇を一緒にやった人物であり、
私が 田舎を捨てて”東京で芝居”なんて、
うんこみたいなことを今でもやり続ける原点に共にいた奴である。
仙台出身。奴とは、偶然 高円寺で4年程前に再会した。
奴も私も いまだに 芝居に しがみついていた。お互いに 典型的に 世渡りが下手で、くさいことが好きで、
酒と女(男)が好きで、でも 曲がった事が嫌いで、
平成の現代では、化石にもならないお馬鹿さんである。
だけど、その血なまぐさい魂は 変えられないってこと。
私達 お馬鹿族は、世間と折り合いつけられなくても、
魂ぶつけて生きてゆくのねってことを再認識いたしたしだいで、
そんなこんなも奴がくれた酒で 倒れて 考えさせられたのでした。
4/18
朝、先週 黒澤明監督の『生きる』をレンタルしていて、まだ見ていない事に気付く。
だから帰ってきて観た。
志村喬が、”命短し恋せよ乙女”を歌うところが泣けた。
うだつの上がらない公務員 志村喬が胃ガンと死期を悟って、
変わり行くと言う単純なスト-リ-。
単純なのに、リアルな描写や、リアルな演技に、妙に考えさせられる 『間』。
そして全体的に 暗い話ではあるけど、人間 自分の寿命がわかった途端、
おかしな行動をとるものなのか、笑える箇所も満載だった。
もっともシンプルな提言、『”私が私らしく生きる”ということの重み』を
じわりと、しかし確実に伝える 黒澤明監督は、やはりすごいと思った。
『生きる』なんていうタイトルの映画を病み上がりにレンタルしている自分が 情けなかった。
4/19
好きな曲を聞きながら、朝、労働へ向かう。
気の合うkチャンとの会話で、朝から テンション高めでスタ-ト。
本日 ひまな時間は、だいぶさぼりました。こっそりと。
さぼることは、こんなに楽しいのに、あんまりやってこなかったなと思う。 学校はあまりいかなかったけど、楽しくさぼっていたことは あまりなくて、こそこそしてたな。どうせさぼるなら派手にやっときゃよかった。つまらん義務教育&高校生活を送ってしまった。などと思いをめぐらせつつ、
夕方外へ出ると、大学生の新歓コンパの待ち合わせが行われていた。そういう季節だ。
まだ日の明るい時間、新宿東口 某銀行前で立ったりすわったりしているおそらく2年生。
手にはサ-クル名の書かれた旗。新入生を待っているのだろう。
くたびれてよれた その布を大事そうに二人がかりで、かかげている。
しかし全然たのしそうじゃない。しかも旗をかかげながら、いつかあらわれる新入生を気にかけながら、通る先輩に頭を下げる。
完全に自発的な行動ではないのだろう。やらされている感じ。
しかし『やらされている』ということにも気付いていないと思う。
あの二人は、今夜、飲み屋にて、隣は両方男。かわいい新入生とはほぼ会話できずに
酒に飲まれること
間違い無いと見た。
なんだかなぁ。だめだよ、旗持つ男。もてないよ、旗持つ男。弱肉強食の弱になってることに気付いてよと思いながら、自分の息子は、お願いだから、新歓コンパで待ち合わせの旗なんかもつ男にはならんでくれと思った。息子はいないけど。
”かっこはつけてるけど未来のない感じのやつが多い。”
もっと ぶっとくなってくれ。
4/22
昨日は雨がやまなかった。
昨日 某親しい友人の芝居を見に行けなかった。いや、見に行かなかった。
昨日
たそがれ時に、別の某親しい友人と長電話した。近ごろは 通信手段は、メ-ルが多く、大人になるにつれ、電話は用件だけを伝えるものに。なのに、昨日の電話は、用件だけでなく用件にまつわるあれやこれや、そして近況を、だらだらと話す。たまに笑った後に あれ何話してたんだっけ?なんて言ってまた笑って、もう中学生の長電話である。久しぶりの感覚。雨の日曜、夕暮れ時に、不思議な懐かしさに惑わされた。
そして今日。また別の某友人が、3Pしたといい、どんなもんなのかと、質問責めにした。3Pは、なんだか大変そうだったので、気分は冷めた。SEXは、いろんな意味で疲れるもんです。好奇心だけじゃつきすすめない。2Pでも難しいのに、3?3は、関係性とか考えちゃうから、体以上に 頭がつかれそう。と 思った。
テレビで見たグッチ祐三の料理は実に気持ちよい。料理は、変なこだわりよりも、”いきおいと粋な締め”。酒のつまみによさそうなもんをペラペラとしゃべりながらつくっていた。見習いたい。
だれかとのおしゃべりとうまい酒と料理を楽しいと思うことは、実に人間的である。人間性の快復には、温かな食事だ、と思う。
外は 少し 寒い。
4/24
そして、昨夜から今日にかけて、自分の鎖国というル-ルをことごとく破り、誰かを傷つけたとか、傷つけないとか。いつまでも明るい午後に 夕日を浴びたネコが ビリヤ-ド場の中を行き来する。コカコ-ラの瓶は手のひらにすっぽりと心地よく、 電車は 線路の上を当たり前のように すべっていく。いつか聞いたせりふが、フラッシュバックし、誰かのコトをいとしいという感情や、懐かしさや、くやしさがわからなくなる。めんどくさいと思う。今日は少し暑かった。自分の本心は?
4/26
退院後、あらためて訪れる病院は、人々の営みのひずみを抱えて、よどんでいた。私は、高い入院費を払い、そそくさと退散する。歯止めがきかず、バランスのとれない自分を否応無しに思い出させられ、少し重くなる。が、しかし、今日は親友Mと5分程会えたので、うれしいから、だから転ばないように歩く。
だれかさんは、何故 ”いぇ〜い”と言うのだろうか。”いぇ〜い”ってなんだい?しかし 今日は寒い。
4/27
今日も寝坊。いつものこと。どうにもこうにも起きれないものは、しょうがない。2個の目覚ましは全く役に立たない。仕方ねぇ。時間も無いのに、朝、STINGの気分だったので、CDウオ-クマンに入れる。ENGLISHMAN IN NEWYORK
せかいは、案外乾いたものなのかしら?と思ってみる。現在の労働場所に来てから丸三年が過ぎたことに気付く。いくら発想を変えても、堂々回りしながら、働いてる自分が、つまらないと思う。労働場所を変えようとついに決心。けじめ。求人誌を購入する。今日は収穫なし。波に乗れそうなものを待つことにする。さぼっていた台所が少し臭い。冷蔵庫の中のバナナがくさる。洗濯物がたまる。なのにさらにさぼって、2時間みっちりテレビを鑑賞する。テレビは濃過ぎて目と頭が疲れた。ガクトが面白かった。あとは、つまらなかった。
『ガクト』は、アルファベット表記だったと思う。
たまにくせでやってしまう、深夜の掃除と片付け。もう空が明るい。気付けば四時半。
4/28
あかるい日中、労働してる時とかに、ある女が腿の筋肉痛を思い出して”イテテ”、それはエスイ-エックスのせいだったんだと思うこのニュアンス、極めて個人的。だけど、ぜったい誰でもこの感覚は知ってる。
さて、昨日は 某友人の出ている芝居を大隈講堂裏まで見に行く。内容は、目新しいこともやってなくて、”おっ”というところはなかったけど(ふつうに会話しながら、犬鍋をつっつくところは、すこし笑った)、うまい役者がいたので役者の演り口を盗もうとそればかり見てきた。となりのめがねの客が開演前に話し掛けてきて、適当に答えてやったら、いちいちシ-ンに『うそぉ〜』とか、『それいいの〜』とか、
『えっ』とか、『それやばい』とか口にだして反応して、自分が話にのめり込んで楽しんでますっということをこっちにアピ-ルしてきて、うざかった。帰りに話し掛けられるのが嫌だったので、すぐに席を立ちながらとなりを見ると、熱心にアンケ-トを書いていた。”すごい笑いました。とっても面白かったです。やばいネタのときはドキドキしたけど、そういう刺激的なところが、感動しましたっ!”。怖かった。
やばいネタなんてどこにもなかった。
帰りに、駅を降りると、関西弁の男に”これからカフェバ-にいこう”とさそわれて、これがナンパかと思ったが、私に声を掛けるとは、 どこかでその男の仲間が見ていて 罰ゲ-ムやらされてるんじゃなかろうかと思った。 もちろんカフェバ-になんぞ行かないし、知らない男にはついていかない。
それは、”知らない”からなのか?”面倒臭い”からなのか?
どっちでもいい。どっちでもいい。
夜明けとともに走れ!吐きながら!

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